先日運動不足解消にと夫と一緒に散歩をしていたら、不思議な家を見かけた。木造の、おそらく築60年以上は経つだろうと思われるボロ家(失礼!でも事実!)に、あの警備会社で有名なセ○ムのステッカーが貼られていたのだ。
こんなボロ家、私が泥棒だったら絶対に入らない。いや、客として呼ばれても絶対に入らない。なぜならその家は、いわゆるゴミ屋敷だったからだ。家の周囲に、いかにも粗大ごみといった大きな家具があられもない状態で置かれていて、その家だけにハエが何匹もたかっている。多分、生ごみも混ざっているんだろう…。そんなガラクタだらけの家でも、その家の住人にとっては宝物なのかもしれない。セ○ムに払うお金があるなら、家を片付けてくれる業者でも呼べばいいのに…とお節介なことを思ってしまう。だけどそう思わせるくらい、汚かったのだ。
そのゴミ屋敷は特別な例かもしれないけれど、セ○ムや○ルソックなんかのステッカーが貼られている家って、必ずしも豪邸とは限らない。ごくごく一般的な家にも普通に貼られている。警備会社にお願いすると、すごく高いというイメージがあるので、よっぽど多くのお金を家に置いているのかもしれない。もしくは「開運!なんでも鑑定団」に出したらよほどの高額がつくお宝を持っているのかもしれない。一体何を守っているのだろうと、逆に興味がわく。
まあ、どっちにしても、我が家には関係のない話だけれど。それに我が家に入ったところで、取るものなんて何もない。もしかしたら警備会社にお金をかけるよりも、窓やドアを防犯用のものに替えるよりも、貯金がないということが何よりの防犯なのかもしれない。それを夫に話すと、「じゃあ、うちはばっちりじゃない」との返事。顔を見合わせ、夫と私は力なく笑った。「それでいいの?」という私のツッコミも、真冬の空にむなしく消えていったのだった。