私はまだ小学生のころから大変な心配性で、これまで色々と気苦労をしてきました。例えば、昔から私の両親は共働きで、日中家にいないことが多かったのですが、「お前は気が小さくて用心深いから、カギの管理に向いてる」などとおだてられ、自宅の施錠をまだ小学二年生だった私が任されたのは苦い思い出です。
よく本などには、「人の性格は『環境』で決まる」などと書かれているのを目にしますが、そういう意味では私のこの性格もズボラな父と母を助けるために心配性になったと言えるでしょう。そう考えると、正直なところ「被害者」的な気分でいっぱいになってしまいます。
成人した今では、独り立ちをして両親から離れて暮らしていることもあり、以前のように「私が両親の住んでいる家の施錠をする」などということはなくなりましたが、今度は自分の住んでいる賃貸マンションのカギのことで、生来の心配性が色々と顔を出してきたのです。
例えば、マンションから会社までの行き返りに、よく鞄の外にカギをぶら下げている人がいますが、ああいう人は落とすことを心配しないのかしらなどと、自分の心配性な気質と比較して微妙に落ち込んでしまったりしているのです。
きっと子供のころからの心配性な性格が、悪い方向で出ているだけだとは思っているのですが、自分でもなかなかコントロールできず、辛い毎日を送っている私なのでした。